第5章 本格的磨きと上質コーティング

◆裕太からの電話

    裕太の車をコーティングしてから、しばらくたったある夜、裕太から電話がありました。

裕太  「ああ、光男、夜遅くにごめん」

光男  「いや、まだまだ起きてるよ」

裕太  「実は・・・友達が・・・友達ってほどでもないけど・・・コーティングしたいって言うんだけど・・・」

光男  「裕太の車を見て?」

裕太  「うん。水アカ落しして、コーティングして、すごくキレイになっただろ。それで、どうしてこうなったか、色々聞かれたんだ」

光男  「ふ~ん」

裕太  「それで、光男に教えてもらって、水アカ落ししてコーティングしたって言ったんだけど・・・」

光男  「俺にコーティングしてもらいたいって?」

裕太  「いや・・・それなら話は簡単なんだが・・・」

光男「???」

裕太  「自分の車を磨き屋さんに磨いて、コーティングしてもらいたいって、言ってるんだ」

光男  「えっ?」

裕太  「磨き屋さんに磨いてもらった友達の車が、すんごくキレイだと言ってしまったら・・・」

光男  「でも、磨き屋さんのコーティングは高いよ」

裕太  「値段は関係ないんだ」

光男  「???」

裕太  「ヤツは、俺と違って、お坊ちゃまなんだ。車は免許を取った時の親からプレゼント!ナビ・オーディオは60万円以上だったかな」

光男  「何乗ってんの?」

裕太  「トミタのRスポーツ、黒」

光男  「へえ~」

裕太  「見せびらかすけど、俺にはハンドル触らせないんだよ!  自分じゃ、高速で160キロ出したとか言ってるけど・・・」

光男  「俺の知らない世界の人の話だ・・・。  いいお友達を持って幸せだね」

裕太  「磨き屋さんのコーティングって、いくらぐらいなの?」

光男  「Rスポーツだと、8万円くらいかな?15万円って言って、仲介料取っちゃおうか?」

裕太  「ダメだよ。ヤツはきっと領収書をもらう。親の会社宛の・・・」

光男  「・・・」

裕太  「光男がやった磨き屋さんに、聞いといてくれないかな?」

光男  「うん、わかった。明日電話して、聞いてみる」

裕太  「よろしくな」

   用件だけ言って、裕太の電話は切れました。」

 

 

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