◆メンテナンスについて  

 

赤城  「これで完了です。

   お昼の休憩がありましたが、9時間くらいかかりました」 

 

光男  「お疲れさまでした」

 

裕太  「アイツのために、すみません」

 

赤城  「いえいえ、仕事ですから。

   黒、紺の車は、色の薄いくるまより工程が多くなるので、時間もかかるんです」

 

光男  「磨きの部分に時間がかかるんですか?」

 

赤城  「ええ、バフ目消しなど、工程が2つくらい多くなることがあります。

   値段は同じですけど。

   中には、外車だとコーティングの値段が高くなるところもあるようですが・・・」

 

光男  「何ででしょうか?」

 

赤城  「何ででしょうね?

   高橋さん、こちらがメンテナンス剤で、こちらが施工証明書です」

 

裕太  「車の中に置いておいてくださいますか。

施工証明書って、コーティングの保証書みたいなものですか?」

 

赤城  「いえ、うちでは保証書は出していません。

   いまやったコーティングは3年から5年くらいは持ちますが、車の保管状況、天候などによって大きく変動します。

   コーティングの持ちは、一般的には水はじきする期間と思われていますが、ガラス系コーティングだと、水はじきが落ちてきても、ボディ上にキッチリコーティングとして残っています。

   その上にメンテナンス剤などを塗れば、水はじき自体は復活します。

   たとえウォータースポットだらけになっても、コーティング被膜自体は存在します。

   そのような状況なので、コーティングの保証書はお出ししていません」

 

光男  「では、施工証明書とは何なんですか?」

 

赤城  「もし、お客様が事故にあった場合、鈑金塗装をした後で、コーティングも保険の対象になります。

   保険会社に提出するための、いつ、どんなコーティングを施工したか、証明するものなんです」

 

光男 3年後に事故にあっても、保険でコーティングできますか?」

 

赤城  「それは、その時の保険会社との交渉でしょうね。

   こちらでは、何とも言えません」

 

光男  「メンテナンス剤は、脱脂作業にも使った、僕も持っているタイプですね」

 

赤城  「ええ。  湿らせたクロスにスプレーして拭くだけのメンテナンス剤です。

   洗車の後などに、水分が少し残っている状態で使うのがおすすめです。

   さきほど言ったように、軽い汚れや初期のウォータースポット除去用として、また、水はじきも復活し、窓ガラスにも使える、結構便利なケミカルなんですよ」

 

裕太  「そのメンテナンス剤だけ売ってもらうことはできますか?」

 

赤城  「このお試しサイズをお二人にさし上げましょう」

 

光男  「長時間おじゃまして、メンテナンス剤までいただいては・・・」

 

赤城  「いえいえ、まったく一人で作業するより、はかどりましたよ。

   いくら磨いても、いいコーティングをしても、メンテナンス次第でキレイさは長持ちしたり、すぐくすんだりします。

   汚れた雨が降った後などは、できるだけ早く洗車して、このメンテナンス剤でボディをメンテナンスしてください」

 

光男  「今日はありがとうございました」

 

裕太  「勉強になりました!」

 

赤城  「では、外は暗くなったので、お気をつけて」

 

終わり

 

 

 

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