◆コーティングの種類
光男 「車の塗装を保護するのがコーティングの目的なんだけど、コーティングって言うと、何を連想する？」
裕太 「ポリマーかな？」
光男 「そう、ポリマーがコーティングの代表のように言われてるね。
でも、最近、ガラスコーティングも増えているんだ」
裕太 「窓ガラス・・・？」
光男 「いや、窓ガラスのコーティングじゃなくって、車のボディにガラスの被膜を作るコーティングなんだ」
裕太 「凸凹したボディに、うまくガラスを貼り付けるられるのかな～」
光男 「硬い板ガラスを貼り付けるんじゃなくって、液体のコーティング剤を塗るんだよ。
俺の車にもガラスコーティングがしてあるんだ」
裕太 「ふーん。液体のガラスね～」
光男 「まあ、まず、ワックスから説明しようか・・・
ワックスは天然物と合成物があって、天然物は、昔から使われているカルナバ蝋（ろう）という椰子（やし）から取られるものなんだ。
俺も持っているけど、カルナバ蝋の中でも高級なのは『カルナバ１号』と呼ばれているんだ。
磨き屋さんに、メンテナンス用にもらったんだけど・・・」
裕太 「ほ～、『カルナバ１号』ねえ～。
１号は椰子の間から、２号は木が倒れて地面が斜めになって、３号は宇宙ロケットで・・・」
光男 「何の話？」
裕太 「サンダーバードって見てなかった？」
光男 「（無視して・・・）昔から使われているワックスも、いい所があるんだ。
特に俺の車みたいな黒は、キズに埋まり、光を乱反射して、キズを見えにくくしてくれる。
キズが気になる時に塗ると、気持ちが落ち着くんだ」
裕太 「ふ～ん」
光男 「ワックスの弱点は、あまり長く持たないことと、油分が多いから、汚れを引き寄せて汚れると言うことかな。
あと、天井に厚塗りすると、天井から流れてきて、窓ガラスがギラギラする油膜になったりする」
裕太 「へえ～。天井から流れてくるんだ・・・」
光男 「厚く塗り過ぎるとね・・・。
１ヶ月も持たず、汚れが付きやすいから、こまめに作業する人向きだね。
でも、キズが見えにくくなって、ピアノや漆器みたいに黒く輝くのはいいね」
裕太 （ゴキブリみたいに・・・）
光男 「合成物のワックスには、天然素材の蝋分に、フッ素やいろいろな物が混合されているもので、カーショップでものすごい種類が並んでる。
どれを選べばいいか、迷ってしまうよ」
裕太 「店員さんにお勧めを聞いてみたら？」
光男 「俺は、実際に使ったことがある品物を、自分で評価できる人から勧められた物しか買わない。
この前、聞いてみたけど、『これが新商品で、売れてますよ～』って言われたけど、『使った感じは、どうでした？』って聞いてやった」
裕太 「店員、何て答えた？」
光男 「私はまだ使用しておりませんが、皆様からご好評をいただいております、当店ナンバー1のおすすめ商品でございます・・・って」
裕太 「何、それ？」