◆土曜日 午前 8時半

   約束の土曜日になりました。
   光男と裕太は、8時半に近所のコンビニの駐車場で待ち合わせをしました。
   早く着いた光男は、コンビニの中で雑誌を立ち読みしていました。
   そこに裕太のミニバンと、漆黒のRスポーツが現れました。 

光男  「おはよう」


裕太  「あ、おはよう。彼は・・・」

 

大杉  「大杉です。よろしくお願いします」

光男  「あ・・・。大沼です」

   軽い挨拶の後、3人は2台に分かれて、磨き屋さんのところに出かけることにしました。

裕太  「さあ、行こうか。光男は俺の車に乗りなよ」

光男  「ああ・・・。うん。  かなりキレイな車だったな」

裕太  「そう、お坊ちゃま、金をかけてらっしゃるから」

光男  「彼とは、どんな知り合い?」

裕太  「大学のクラブの同期なんだ。  この前、たまたまOB会で一緒になって、車自慢をされたんだ。  俺も、車を磨いたと言ったら、しつこく付きまとわれた・・・」

光男  「ふ~ん」

裕太  「ほら、後ろからあおるんだよ~。  アイツってそんなヤツなんだよな~」

   15分くらいして、2台は磨き屋さんのお店に着きました。

光男  「赤城さん、すみません。早く着き過ぎて」

赤城  「いえいえ、年取ってくると、朝が早くて・・・」

裕太  「今日は、よろしくお願いします」

大杉  「大杉です。本日は、よろしくお願いいたします」

赤城  「こちらこそ、よろしく。赤城です」

大杉  「赤城さん。  時間はどのくらい、かかりますでしょうか?」

赤城  「洗車してから、車のボディの状態をチェックさせていただいてからでいいですか?」

大杉「ええ、もちろんです」

  赤城は洗車を始めました。
  まず強い水流で流してから、シャンプーを泡立てて、スポンジで天井から洗い始めました。
洗車が終わり、水分を拭き取り、赤城はライトを当てながらボディのチェックを始めました。

裕太  「いろんなライトがあるんですね」

赤城  「ええ、太陽の下で見るときと、夜中に水銀灯などの下で見るときと、キズの見え方が違ってくるので、いろんなライトを用意しているんです。
   ハロゲンランプとか、こっちのはメタルハライドと言うんですよ」

裕太  「へえ~」

赤城  「大杉さん、こちらに、よろしいですか」

大杉  「はい」

赤城  「天井とボンネットに、ほら、ここらへんに雨ジミとかウォータースポットとか呼ぶ丸い輪ができているんです。見えますか?」

大杉  「この辺ですか・・・はい、見えました。この楕円形の輪ですね」

赤城  「あと、ボディ表面を軽く触れてみてください。ザラザラしていませんか?」

大杉  「ザラザラしていますね」

赤城  「鉄粉か、樹液だと思います」

大杉「雨の日は走らないようにして、普段は屋根の下に入れているのに・・・」

赤城  「車が屋外を走る限り、前のトラックの排気ガスの中の鉄粉は飛んできますし、あちこちのブレーキからも鉄粉は降ってきます。
   また、木のそばとかに停めておくと、樹液も降ってきます」

大杉  「そういえば、軽井沢の別荘では、屋根のない、木のそばに停めてますね」

赤城  「車のサイズとこのボディの状態から、作業完了は夕方の 6時くらいになりそうです」

大杉  「わかりました。よろしくお願いいたします。  裕太、じゃあ、車借りるな」

裕太  「ああ」

   大杉は裕太のミニバンに乗って出かけて行きました。

裕太  「行っちゃった・・・」

光男  「裕太の車は運転してもいいのかよ。この車は運転させないくせに」

裕太  「ああ。そんなところだ。  金持ちはワガママだから」

光男  「彼はどこに行ったの?」

裕太  「パーティーだって」

光男  「軽井沢の別荘に、お友達とのパーティーか・・・」

赤城  「それでは、作業を始めますか」

裕太  「車の状態はいいんですか?」

赤城  「いえ、ボディは結構荒れてますよ」

光男  「えっ?」

赤城  「あまり悪いことを言わない方が良いかと思って・・・。
  割と雑に洗っているみたいで、洗車キズが多いですね。  そして、ほら、ココ・・・」

裕太  「うわっ!タバコの吸殻が散らばってる・・・
あっ、ココにはゴミが・・・」

赤城  「見ない方が良かったですね~  

   『クルマ』を宝物にしている男性は多いですけど、足代わりの道具にしている人も多いですね~。

   磨きに結構時間がかかりそうですが、ウチの代車で出かけますか?仕上がったら、連絡入れますから・・・」


光男  「今日も、ずっと、見ててもいいですか?」

赤城  「ええ、それは結構ですが・・・高橋さんはどうしますか?」

裕太  「はい、こいつに付き合います。  それに、俺、知識が少ないので、いろいろ覚えたいから」

赤城  「今、9時半ですね。  では、まず、ホイールから始めます」

 

 

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